※171014 加筆しました。
相変わらず体調が悪いいぶしぎんです。
熱にうなされているついでに、熱の勢いで真面目な話をしたいと思います。
私は個人的に、3月のライオンと言うマンガが、大好きです。
思考のため深く潜るという例えられる棋士の世界が、この業種に通じるモノがあると思うからです。
そのマンガの一説に、以下のような言葉があります。
「天才」と呼ばれる人間のごたぶんにもれず、サボらない。
どんなに登りつめても決してゆるまず自分を過信する事がない。
だから差は縮まらない。どこまで行っても。
きっといろいろなところにそんな天才たちがたくさんいて、今日も探求しているのだと思う。
そして、幸運にもこの業種のそんな人を少なくとも二人知っている。
一人目は、元カプコン、某社のK氏です。
三十代の前半、短い間ではあったが仕事をした際にその追求ぶりと探究心に、感服した。
いやハンパなかった。
その氏の作る背景のハンパなさは、当時のカプコンの精鋭スタッフが誰もついてこれないほどw
一つの作品なのに、あまりにクオリティが違いすぎた。
それはそれでちょっと意味がわからないが、
風穴ぶち上げるのが本職で、
そもそも正直すっげー風変わりな方なので、もう、それでいいのだと思う。
もう一人は、手前味噌だが、とりサブレ氏だ。
あまり表には出していないが、他社様の案件で版権ものでモデリングを当人や版元から何度も突き返され炎上すると、
最後の手段として、メーカー様からその修正を依頼される。こんな話はあまり聞いたことが無い。
天才というと元からできたように聞こえるだろうが、そんなことはないのを私は知っている。
来る日も来る日も超暴風雨剛雷轟く中、何度倒れても、
つまずいてもまた立ち上がりひたすら前に向かって歩き続けてきているのをずっと見てきたからだ。
そんな彼女のエピソードを一つ。
弊社には朝礼がある。
毎週2名が、本人が気になった事を感じて話すというものだ。
毎回、和やかな話や、おもしろい体験談などで、他社の朝礼と一線を画している。(と思っている)
その中で、モデリングをする際に、注意している点、というのをとりサブレが話した時、ちょっとブルった。
「そっくりに作りたいなら、たくさんの資料を観察するか、
3Dスキャナのデータを調整すればでいいとおもいます。
そうではなくて実際の人物を、
魅力ある3Dのキャラクタとしてモデリングする場合は、
クライアントたちに納得してもらえる形にモデリングする場合は、
気をつけている点が3つあります。
一つ、その人が、どう見えるか?資料などから考える。
二つ、その人のファンには、その人がどう見えているのか考える。
三つ、その人が、周りにどう見られたいと思っているか考える。
この三点を見つつモデリングします。」
気が遠のくほど、血の気が引いた。
一つ目はわかる。
しかし二つ目以降は、そこまで考えたことがないとは言わないが、口に出して言うほどジブンの中で固まっていない。
いや、ここははっきり言おう。
三つ目は悔しいが確実に考えたことがなかった。
そして、それが口に出せるということは、彼女はそれがもう消化が終わって、ジブンの中で整理でき体系化されたから、そう言えるのだ。
この時、冒頭の言葉の続きを強烈に思い出した。
「天才」と呼ばれる人間のごたぶんにもれず、サボらない。
どんなに登りつめても決してゆるまず自分を過信する事がない。
だから差は縮まらない。どこまで行っても。
しかし 『縮まらないから』といって、
それがオレが進まない理由にはならん。
『抜けない事があきらか』だからって
オレが『努力しなくていい』って事にはならない
そう、
こういったことを素直に考える人間が近くにいる幸せを噛み締め、
甘んずることなく自らも成長せねばならない。
それが、凡人たるジブンの道であり、ジブンが彼らに近づく唯一の方法なのだから。
凡人でも、手を抜く「天才」には負けないという事を世に知らしめてやるまでは。
だから、今の若い人たちは少しもったいないなぁと思う。
ジブンの中の力を引き出すことも、伸びしろを使うことも、磨き上げることも
面倒だし辛いからと避けているようにみえる。
もちろん、休むことも大事だ。
とりサブレだって。ぐぅたらする時は、びっくりするくらい何もしない。
ソファから微動だにしない。
ただ、
突き詰めるとき、
追いかけるときの、
集中力と、なりふり構わぬ全力感とその深さは
マジでハンパない。
若い時ほど有効な貴重なその時間を、人生の伸びしろを削ることに使っているように見えて、それが残念で仕方ない。